いよいよ2/23水曜日祝日、昼の茅ヶ崎ハスキーズギャラリーでのカルテット、
2/25金曜日19時からの高田馬場サニーサイドでのカルテットと西村知恵さんとのレコ発から、
4月まで、首都圏各地にて、レコ発ライブがスタートします。安全に配慮しつつでも、まだまだ入れますので、ぜひお越しください。
それに先立って、手元にもCDが届きましたので、発送を開始しています。
このHPからも、またメンバーにも直接ご連絡ご注文いただけたらばと思います。
ということで、「もう手元に届いた」「お聴きいただいた」という方のためにアルバム本編の収録曲の解説もちょこちょこと載せさせていただきます。
今回はアルバムの5曲のボーカル曲の中、4曲をアレンジしてくださった宮本裕史さん(愛称「コブさん」)の
解説を載せています。
お好きな方は、音を聴いた後にでも、お読みいただいて、
コブさんのインスピレーションの元のこととか、
世界がまたつながっていくのをお楽しみいただけたらば、と思います。
では、コブさんによる解説です!
宮本裕史さん(コブさん)によるアレンジ曲の解説
今回のアルバムではBlue Moon、When Sunny Gets Blue、Just Squeeze Me、Don’t Be That Wayの4曲をアレンジさせていただきました。
といっても4曲とも数年前に書いたもので、知恵さん入りのこのバンドにて今まで何度も演奏してもらっています。(編注、この文章は2022年1月に書いていただいています。)
・Blue Moonはロジャース&ハートによる1934年に書かれたスタンダードナンバー。
歌詞ではなくタイトルから「月」⇒「満ちたり欠けたりして時を刻む」と連想し、
拍の数が満ち欠けするイントロを作り、そこからそれをモチーフにして一気に書きました。
・When Sunny Gets Blue はDestination Moonの作曲者でもあるMarvin Fisherの手による1956年あたりの曲。
かつて、知恵さんから頂いたレパートリー表の中から数曲急いでアレンジをしなければいけない時がありまして、
その際、先述のBlue Moonと「Blue+Sun」という繋がりから2曲セットで選んだのですが、
後から聞いたところSunnyは太陽ではなく女性の名前だったそうです(笑)。
管楽器2本とベースのみでコードの流れを作る、という目的のため管楽器同士が別の動きをして補い合っている、というやり方をベースにして書いています。
・Just Squeeze Meはエリントン作曲。
Magali Souriauというピアニストが自身のアルバムにてこの曲を甘くけだるい雰囲気にアレンジしているのがとても好きで、
そのアイデアをほぼすべて使わせてもらいつつ、このバンドの編成なりのけだるさに転換できるかな、と思いながら譜面を書きました。
・Don’t Be That Wayはベニー・グッドマンの手による曲。
僕自身、原曲に近い形でのものを頻繁に演奏するのですが、これに関してはかなり手を加えアレンジしちゃいました。
クルト・ワイルの手によるThis Is Newというスタンダードナンバーがあります。
現在演奏される短調での和声進行は後年にジャズマンたちが手を加えたもので、それに対し、原曲はとても可愛らしい長調の曲でした。
その原曲にある和声進行の中で僕がこよなく好きな部分があるのですが、今回のアレンジではそれが基本的なモチーフになっています。
イントロ部のゆっくりな部分はその和声的特徴を持つ別な曲、
作曲家であり天才バイオリニストEugène Ysaÿe(イザイ)のRêve d’Enfant(子供の夢)のピアノ伴奏部分を引用し、
続く部分もトロンボーンパートでその和声進行が浮き出るようになぞり、それらがその後に続く本編のための予告になるよう書いてみました。
ジャズ以前の昔から存在する奇妙で愛らしい和音の流れをコードレスバンドでも響かせられればなあ、と思い書いたアレンジです。